08bookのもう一つのテーマが“ブラック&ホワイト”。 ものごとを明らかにする様子を“白黒つける”というように、はっきりとしていて、もっぱら強い色同士。この空間にはその両軸を内包するような、普遍的な印象をもたせたい。そこで黒と白をベースにセレクトしようと考えた。
そもそもの発端は写真家のロバート・メイプルソープ。彼は、ミッドセンチュリーにおけるスカンジナビアモ ダンの陶磁器やガラスのコレクターとしても有名だ。 遺品コレクションのオークションに際し刊行された『Robert Mapplethorpe Collection -by Christies-』 の写真集を目にしたのは随分前だが、収録されていた陶器やセラミックに強烈に惹かれた。そのとき知ったの が、スウェーデンの陶芸家カール=ハリー・スタルハネ。中でも、東洋の陶磁器に影響を受けたという彼が手 がけたソリッドでモダンな黒、釉薬の妙を活かした白の作品がずっと心の片隅にあった。
例えばこの空間に、そんな相反するものを共存させたらどうか。古いものと新しいもの、クールと温かみ、東洋と西洋、プリミティブとモダン……。
ゆえに、セレクトは黒と白をベースにした、木、真鍮、大理石の素材感ミックス。服もまた、クオリティの高 いスモールコレクションのみだ。 そんな08bookの世界観を体感してほしい。
Photo: Masaya Takagi