決して、年代やテイストに縛られることはない。趣のあるヴィンテージをインスピレーションソースに、自由な発想でブラッシュアップさせた今回のコレクション。色彩やパターン、シルエット、素材など、すべてに散りばめた時代の記憶。かたや、対照的なテクニカルなファブリックがモダンなエッセンスとなり、過去と現代、さらにカルチャーをクロスオーバーさせる。
哀愁を漂わせる、色と柄。ブラウンやベージュといったクラシックなカラーパレットに、くすんだピンクやブルーを差し、さらにスカーフパターンを折り重ねた。ドロップショルダーといった力の抜けたシルエットも相まって、そこに浮かび上がるレトロで、どこかナードな男性像が、不思議と現代にリンクする。
ポリウレタンコーティングを施したラミネートタイベックや、ランダムな毛並みを表現したレッキスラビットのエコファーなど、革新的な素材が、ヴィンテージな風合いにコントラストを与える。
アイテムごとに、さまざまなアプローチで見せる08sircusのモダンヴィンテージ。過去に敬意は払いながらも、それに縛られないことが現代の価値観と捉える。
Text: Keiichiro Miyata
Photo: Shunya Arai
Styling: Yohei Usami